山岳地帯のトイレ事情

 

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石鎚山2の鎖元に愛媛県の施工により環境配慮型の公衆トイレと休憩所が完工し、今春より本格的に運用が開始されます。それに伴い山頂の公衆トイレ(自然浸透式)は、携帯トイレブースへ移行。3の鎖元のトイレは、撤去の予定となっています。また、石鎚神社頂上山荘のトイレは改築時より環境配慮型のトイレとなっていますが、処理能力の限界が宿泊定員の50人となっています。ですので、宿泊者以外のご利用はご遠慮頂く他はありません。時折、有料での利用を希望される方もいらっしゃるようですが悪しからずご了承下さいとのことm(_ _)m

石鎚山に限らず、全国の山では山頂から可能な限り遠い所で用を足して登下山するのがマナーです。では、自然浸透式や貯留式の車道もなく電気も無い山のトイレのし尿は、どんな処理がなされているのでしょうか。やむを得ず・・・処理放置(平たく言うと垂れ流したまま(-_-;) )されたままのトイレもあります。どれほどの費用がかかり・・・誰が処理をし・・・その支払は・・・?

現地で貯留式のトイレの排泄物を汲取り容器に入れ替える作業は人力です。更にそうした山では、排泄物の入った容器を人力で下界まで担ぎ下ろししているのが現実です。ヘリコプターを使える山もありますが、下世話な話、ヘリコプターをチャーターしてのトータル処理コストは数百万円単位になるかと思われます。

し尿や汚泥の人力による担ぎ下ろしは、北は北海道日高山脈、南は屋久島、四国では徳島、高知の県境に位置する山・三嶺などいたるところで行われています。ご存知のとおり、屋久島は世界自然遺産に登録されてから観光客が増加。既設のトイレが足らず、野外排泄が増え大きな問題となっていました。

結果、悪臭のみならず住民の水源である水脈に大腸菌が流れ込んだり、土壌の栄養過多などで生態系へ及ぼす悪影響が発生。その解決策として携帯トイレ専用ブースが多く設置されました。

夏-雲海-1

自然の素晴らしさを体感するには、その場所に誰かが立ち入らざるを得ません。世界自然遺産もその地域の素晴らしさを沢山の人が共有して後世に伝える遺産となります。しかし、そこが訪ねる人数やその行為の自然復旧限度を超えるとサイクル崩壊が始り、その影響が動植物はもちろん人に及び、ひいては地球の営みにも関係します。

先出の屋久島や国内外の世界自然遺産に登録されている地域は、入山や観光に守るべきルールが定められています。ルールを守ることにより一人でも多くの人に、また一世代でも後の人に今の自分が体感した同様の素晴らしさを残し伝えることができるのです。

ともあれ、新設された石鎚山の鎖元の公衆トイレと併設された休憩所も、いよいよ本格的な運用開始の時を迎えようとしています。環境配慮型トイレですが、その清掃を含めた保守管理は現地までの登下山を含む人力になります。日本一麗しく維持管理された山岳トイレを目指して、入山者1人1人が心がけて行きましょう(^^)/
リチャード

 

2 Responses to “山岳地帯のトイレ事情”

  1. 名無し より:

    天狗可愛い。名前とかありますか?
    ステッカーつくったら売れそう
    ゆるキャラとして売りだしてもいいかもw

    • ishiduchi-school より:

      コメント有り難うございます。そうなんですよ~天狗のキャラクター名を公募しようか?!との話もあります。ステッカーいいですね(^_-)
      今度、関係者が集まる会がありますので、提案してみます。
      リチャード

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