石鎚古道をゆく(4)

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とき 2019年9月1日(日)

石鎚古道をゆく(4 )

☆河口(こうぐち)関門から成就まで☆

自噴水「打ち抜き」で知られる水の都、西条市。西日本最高峰の石鎚山頂に降った雨は、長い歳月をかけ山を下り、市の中央をゆったりと流れる加茂川を成します。その支流のひとつが西の川谷、石鎚谷へとさらに深山へと流れを分けるところが、石鎚山の三大古道の分岐点「河口、関門」です。この付近は三碧峡(さんぺききょう)と呼ばれ、渓谷美を誇っていて、石鎚詣での人々は、この清流で禊ぎをしてから石鎚山頂を目指したといいます。

左に向かうと西の川道(ロープウェイ方面)、右に向かうと黒川道、そして中央にルートをとると今宮道です。今日は、36王子社を巡るために中央の今宮道に足を踏み入れます。今宮本道のみを登ると成就まで6.6㌔メートルと登山口の標識にありますが、途中で本道を離れ王子道を辿るため全行程7㌔メートル程になるかと思います。

 

昭和25年に大保木村今宮集落の寄付によって建立されたシメ石をくぐり、登山開始!天候は、小雨の筈がチラチラと陽が差し、陽の当たる登山道を覆う夏草に、今朝方の雨が滴を残しています。

  「これは、登山日和だけど、蛇にも好天気だなあー」と思った矢先・・・、小型ながら目の前に甲羅干しに興じる?マムシを発見。毒をもった彼は、ほんの少し道を譲ってくれただけで、私はそそくさと登山道の端を通り抜け、まだ100㍍は続きそうな夏草の茂った道を急ぎました。それでもよく見ると、歩き遍路さんでしょうか、登山道には所々に分け入った人の跡があり、なんとなくホッとしました。この時期、蛇を見かけて当たり前の山の中。不躾にテリトリーにお邪魔しているのは私の方。とは思っても気持ちの良いものではなく・・・。

  周りは鬱蒼とした杉木立となり、夏草の茂りから解放されると、ミズヒキや盛りの頃を少し過ぎたヤマアジサイの可憐な花が咲いていることに気付きました。我ながら現金なものです(笑)

  30分程で境内地を同じくする第7今宮、第8黒川王子社に到着です。この王子社の入り口には、香川県坂出市の行者・三光坊の御霊が祀られていて、昭和39年に三光坊不動堂として再建されています。

 

第8黒川王子社の谷を挟んだ向かい側が、季節宿の点在した黒川集落になります。今は杉、桧の放置林に集落自体埋もれてしまいました。その集落を望んだ、今宮集落側のこの王子社の足場は、覗きの行場でしたが、茂った雑木がせせらぎのみ聞こえる谷に、枝葉を張るばかり。

かつて、黒川道沿いの黒川集落(上黒川、下黒川)と今宮集落には、普段は林業や炭焼き、お茶の栽培などをして生計を立て、お山開きの間は自宅を民宿として開放し、土産物を売ったりする季節宿が賑わいました。明治44年頃には、黒川集落では23戸、今宮集落では11戸が季節宿を営み、大正12年に小松駅前から河口まで登山バスが開通したことで戸数は半減。さらに昭和43年に登山ロープウェイが開通して激減。過疎がすすみ、現在は双方の集落に住む人はなく、廃屋と石垣が残るばかりです。

次の王子社を目指して、杉木立の登山道を登ります。頬を撫でる涼しい風にミンミンゼミの鳴き声も心地よく・・・。私の気持ちも、ようやく山歩き森林浴モードに入ってきたようです。

今日は石鎚山7合目の成就まで、後12ヶ所の王子社が待っています。

   ―続くー

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