・・・トレース・・・/10年前の某紙投稿原稿より④
とき | 2021年2月22日(月) |
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・・・トレース・・・
(記事と画像は今年のものではありませんm(_ _)m)
今年の石鎚山は、例年になく雪が多い。3月3日現在、7合目の成就社で1メートル近くの積雪がある。もっとも除雪したり、吹き溜まりの状況下なので正確には分からないが・・・。
こうなると、山頂へのアタックも相応の冬山登山の経験と装備、体力を必要とする。2月に入り、一般の登山者が山頂を目指すも途中で断念、下山することが相次いだ。「山は逃げない、次の機会にまたおいで!」ということだろう。
冬山登山となると、気温も氷点下、先ずはピッケルにアイゼンやカンジキ等々積雪寒冷地仕様の装備を要することは、冬山登山をしない人も想像に難くはない。
で、万全の装備で山に入ったとしても・・・登山道が消えていたりする。当たり前だが、その道は深い雪の下。経験在る登山家達は、夏場の登山道を想起しつつ、周囲の状況をも見極めながら山頂へと続く新たな道を付けることになる。この先行者の足跡を登山用語で「トレース」と呼んでいる。トレースの良し悪しが山頂到達云々のみならず、命さえ左右することにもなる。
2月末のとある快晴の日、私も久しぶりに冬の石鎚山頂を目指してみた。結果、前社ヶ森の鎖場手前、通称表(ひょう)白(はく)坂で引き返した。
下界では想像さえしていなかったが、前夜は吹雪、トレースも在ったり無かったり、時折踏み出した足が、ズボッと・・・股まで。私は経験在る登山家ではない。そこで限界を覚え、元来た道を下ることにした。
それにしても、天気は良い!冬の青空に白い樹氷が何とも麗しい。「また、来月来られたら来るか♪」と私の付けた足跡を振り返って見た。その近くに・・・野ウサギの足跡が山頂へと向かっていた。
文責/事務局長 曽我部英司
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