ずーっと昔のお話(2)石鎚山の神様と瓶ヶ森

石鎚山頂から東に望む瓶ヶ森には、こんな伝説があります・・・。
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〈瓶ヶ森の氷見二千石原から望む石鎚山〉

石鎚山の神様は、男の神様でお名前を石鎚比古命(いしづちひこのみこと)といいます。きりりとした眉で目元の涼やかな美男と伝えられています。その神様の住む石鎚山の麓の町、西条市は古くから水の都とも呼ばれ、「うちぬき」というとても綺麗で美味しい自噴水が有名です。

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〈西条市内・うちぬき広場にあるうちぬきの小池〉
ずーっと昔、安芸の宮島に住む女神様・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が石鎚山の神様に逢いに来ました。石鎚山の神様は、海を越えてはるばる逢いに来てくれた女神様をとても綺麗で美味しいお山の水でもてなしました。「女神様、このお水は天の神様が高天原(たかまのはら)で大切におつかいになる天真名井(あめのまない)のお水です。どうぞ召し上がれ。」

すると女神様は、たいへん喜ばれ天真名井の水でしたら、私の故郷の恋の水です。このお水が石鎚山にあるなんてなんと嬉しいことでしょう。これからは、故郷を思い出す度にこのお山に登って来ます。
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〈生い茂るイブキザサとウラジロモミの麗しい氷見二千石原の光景〉
これを聞いた石鎚山の神様は、優しい笑顔を浮かべながら、「石鎚山は大変険しいお山です。女神様が度々登れるお山ではありません。・・・でしたらあの東の山のなだらかな頂(いただき)に大きな瓶(かめ)をおいてこの水を溜めることにしましょう。」・・・と。

これが、女性らしい山容もった石鎚山系のひとつ、瓶ヶ森(かめがもり)のいわれになったと伝えられています。
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〈笹原を抜け岩盤を流れる小川から瓶壺にそそぐ水〉
※瓶ヶ森には、小ぶりながら画像のような瓶壺が実在しています。普段に訪ねると壺には付近の笹原の石が流入し、水深50センチほどですが、ボランティアの方が時折清掃をしてくれています。その方にお話しを伺うと・・・、本来?の水深は2㍍以上、直径も最大2㍍近くあるとのことです。

また石鎚山に抱かれた村に、このお話しをもとにした「お山の水」という民謡があって、盂蘭盆には村のお堂やお宮の広場に集まって、長い間歌い継がれてきました。
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〈瓶壺の入り口の目印となる通称タコ松〉

 

 

 

 

 

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