(追記版)石鎚古道をゆく-これは何でしょう?-

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平成16年に世界文化遺産に登録された「熊野古道」。その参道、山域に99の王子社(熊野の神様の御子神様)が祀られています。もっとも99は熊野の場合実数ではなく、「沢山の」というとらえ方になります。

で、我が石鎚山も山麓から天狗岳山頂までの古道沿いに実数で36ヶ所の王子社が祀られていることをご存知でしょうか?特に西条市側から山頂登山をしたことがある方は、その道の所々に画像のような祠を目にしたことがあると思います。そう!これが「王子社」です。ちなみにこの王子社は、7合目の成就社直下に位置する「第18杖立王子社」。かつて、お山参詣者がここに杖を立ておき、勇気をふるって無杖で登拝する習わしがあったと伝えられています。

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次に、この画像は西条市の水瓶・黒瀬ダムを見下ろし、第60番札所・横峰寺への参道にもなる道沿いに祀られる「第1福王子社」です。その昔、石仙高僧が山頂に登拝しようとする道中ここに来て石鎚大神を拝し一夜を野宿。その時に夢枕に福の神が現れ、高僧の心願成就を示されたので一心にその成就を祈った所とされています。

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そして~この画像は弥山から天狗岳を望んだものですが・・・分かりますか?「第36番天狗嶽王子社」の祠。もっとも、最高峰天狗岳まで脚を伸ばされた方は間近で目にしたこともあるかと思いますが。弥山から天狗岳を眺めていて・・・ん!?あの天辺のちょこんとしたものは何?と思った方は、これで謎が解けたかと思います。

石鎚山の古道沿いに散祀される36ヶ所の王子社は、その場にそれぞれにストーリーがあり、祠はかつての行場や参道の分岐点、また景観の素晴らしい所に祀られています。この36の王子社全てを巡拝するには、現在の登山道から離れた古道を辿ることが多く、当然その案内人も必要ですし、所用時間も早くて2泊3日、ゆっくり巡ると3泊4日を要します。(かつて、私も本業の関係で訳あって全行程を成就に1泊のみの2日で巡拝する体験を数度しましたが・・・かなりハードでした。普通ではお勧めできません(^^;)

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(第3大保木王子社側にある覗きの行場より集落を望む)

ちなみに、石鎚神社さんでは毎秋、約50名の信徒の皆さんを集い黒瀬ダム(黒瀬峠)の第1福王子から3泊4日でその全てを徒歩巡拝する行事を執行しています。初日は、今宮、黒川古道の分岐点である関門旅館に泊、2日目は今宮古道から山頂を目指し成就社境内旅館に1泊。3日目は、現在の本道を辿り山頂泊。4日目早朝に山頂を発ち、夜明峠から御塔谷沿いに西の川へと夕刻下山。その後バスで西田の本社本殿に帰社拝礼するという行程です。

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(ロープウェイ山頂駅・スキー場の近くの今宮古道沿いに祀る「第16山伏王子社」/かつて石鎚山が別当寺管理の頃、天台宗の各坊がここで野宿をし、心を改め身を清めたという。画像奥の五葉松の大木から眼下を見下ろすと、黒川古道にあった行者堂の真上に位置し、黒川道を辿る者は堂の脇を流れる沢で禊をして成就社、そして山頂を目指す習わしがあった。)

・・・時は流れ平成の今、その気になれば石鎚山頂は中国、九州地方からでも日帰り圏内になっています。西日本最高峰も随分と近くなったものです。

雪解けの季節となり、石鎚山もこれから本格的な登山、登拝シーズンを迎えようとしています。先ずは、無理のない安全な登下山でありますように。

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